「クリスマスにプレゼントはいらないからお母さんとお父さんを仲良しだった頃に戻して下さい、ってお願いしたの……でも、今朝お別れしちゃった。これからはお母さんと二人の生活になるって」



声が震えるのを必死で我慢しながら少女は話していた。



少年は少女にそっとハンカチを渡し穏やかな声で語った。



「赤い服来た白いお髭のサンタクロースが実際いるかいないかって聞かれると正直分からない。でも、誰でもサンタになれるんじゃないかなって思ってる。幸せをプレゼントできるサンタに……」



少女が涙で濡れた顔をあげると少年はやさしく微笑んだ。