「サンタさんっていないのかな?」 公園で出会ったさみしそうな顔をした少女を心配し、「大丈夫?」と声をかけたところそう問われた。 高校2年生の少年は答えに詰まった。 (サンタなんて所詮絵空事。いるはずがない。でもそんなこと言えないよな……) 寂しさと悲しみを帯びた今にも泣き出しそうな少女にそんな非情なことは言えなかった。 「どうしていないって思うの?」 少年は少女の目の前にしゃがみ、とりあえず理由を聞いてみた。