「あの、和くん……だよね?」 当時の名前で呼ばれて、なんだかくすぐったい気分になる。 「来てくれたんだね、直緒さん……」 和輝は手に持っていた雑誌とプレゼントをベンチに置いて立ち上がると、直緒の首に腕を回し、ぎゅっと力を込めた。 直緒もそれに応じるように、和輝の背中に手を回し、きゅっと力を入れた。 二人だけの時間が流れていた。