「ぎゃ、ひどい顔」 鏡に映る顔は化粧が崩れてひどいことになっていた。 香澄は、クレンジングシートで化粧を拭き取り、水で洗い流す。 タオルで顔の水気を拭き取り、再び鏡を見た。 「んーー、コンタクトしたまま寝ちゃったから、はりついてて気持ち悪い……眼鏡持ってきてたかな?ま、全く見えなくなるわけじゃないし、なんとかなるか」 そう一人で呟きながら、香澄はコンタクトを外した。 鏡に映る自分がぼやける。 (こっちの方が周りの視線も気にならなくて逆にいいかも)