「香澄ちゃん、元気だったかい?」 「あ、おばちゃん。体は元気ですよーー。それだけが取り柄みたいなもんだから」 香澄はカウンターの椅子にコートとバッグを置き、その隣に腰かけた。 「そうかい……」 店の奥さんは、悲しげな表情を浮かべそう相槌だけ打つと水とおしぼりを置いた。 「とりあえず、生一つとーー……」