(公園での出来事は夢……?)



美希はベッドに横たわっていた体をおこし、近くの棚にあった自分のバッグを手に取り膝の上に乗せた。



バッグを開くとすぐに缶コーヒーが見えた。



(公園で倒れてたって言ってたし、コーヒーを買ったところまでは確かだ)



がさがさとバッグを探っていると、キラッと光る物が見えた。



それを出してみると、それは……



「クリスタルツリー…………夢じゃなかったんだ」



美希が公園で出会った老人からの贈り物だった。



バッグの中には、貸して貰った純白のハンカチも一緒に入っていた。



ハンカチを広げてみると、そこには『三田』と刺繍されていた。