すると、早苗は美希の方へ向き直り、力無げに微笑むと言葉を探しながら言った。
「美希ちゃん、冗談はちょっとおいて、いい人はいないの?ほら、拓人はいつ目を覚ますのか……もしかしたらずっとこのままかもしれないし……小さい頃から娘みたいに思ってきた美希ちゃんには幸せになって欲しいから」
「拓人は目を覚ますよ。覚ましたらすぐに気持ち伝えるから、早苗さん拓人を取られる覚悟しといて下さいね」
美希は、早苗の心配を有り難く感じながらも、思いっきり明るい笑顔で言い切った。
「もう、美希ちゃんにはおばさん敵わないわ。ほら、拓人こんな可愛い子が待ってくれてるんだからさっさと起きなさいよ」


