ふとあの夜を思い出す。 『心配かけさせんな』 『ほら、お前は違うから』 『お前だけだよ』 やっぱり、先生にとったら何でもない言葉だったのだ。 “生徒”を心配する“先生”…。 先生は“先生”だから…。 私には『お前だけだよ』って、先生は言った。 みんなには『誰にでもしません』って言ったらしい。 ねぇ、先生? 意味が分からないよ。 ずっと成績しか取り柄がないような私すら。 ねぇ、分からない。 だって私、ただの“生徒”。 間宮先生だって、ただの“教師”。