よしっ!と心の中でガッツポーズをしたと同時に。

「わっ!」

「早くよくなれよ。もう心配かけさせんな」

先生の大きな手が、私の頭を撫でた。


“心配かけさせんな”って。

なんて自己中で俺様な発言だろうか。

本当にムカつく先生だ。

でも、ちょっとだけ…。

「……ありがと、せんせ」



先生は、唇の右端を上げてフッと微笑み。

「誰にでもするって、思ってる?」

絡んだ視線が逸らせない。



「…お前だけだよ」


そう言ってもう一度、私の頭を撫でた。