先生の背中の上からだと普段より目線が高いせいか、それとも熱で頭がもうろうとして視力すら良くないのか。
なぜかキラキラとして見える。
それに合わせて、私の心臓がトクトクと音を立てる。
「おい、お前、俺を殺す気か?」
「かも知れませんね。」
私はまた、先生の首にギュッと腕を絡めた。
こんなに景色が変わって見えることが、どういう意味かなんて考えたくない。
だけど、先生のせいにしてやりたくて。
「本気で殺す気か?」
「かも知れません。」
車に着くまでは大人しくしてろよ、と言う先生を困らせてやりたいだけ。

