私はそう言って起き上がった。

「…っ…!」

しかし、起き上がったはいいものの、頭の痛さが半端ない。

こめかみを押さえて、膝を抱えるように丸くなって、その痛みに悶える。

ヤバい、…これじゃあ…。


「1人で帰れる訳ないだろっ!バカか!」

「抑えて、恭くん!」


今日の先生は怒りっぽいなと、今さら考えた。

そんな私を差し置いて、二人の会話は完結してしまった。


「海里さん、俺が送って行きます」

「あら、当たり前じゃない?」


当たり前では断じてない。

そんな当たり前、絶対にいやだ。