ただ、バカにされた気がして腹が立ったから。

「先生があんなことしなければ意識なんて失いませんでした」

そう言ってから私は先生から目線を外し、そっぽを向いた。


はぁー、と控えめな溜め息が聞こえると。

「悪かった…。
ただ、本当に心配したんだ」


いきなり声を荒げた私に驚いたのだろうか。

急に気弱になった声は、全くいつもの先生には似つかわしくなくて。

なのに、私の胸はきゅぅっ…と苦しげに鳴いた。



…こんなこと、柄にもない。

声を上げたことも。

胸が鳴き声を上げることも。


きっと、これは熱のせいだ。