「いつからだ。」 先生がのせてくれたタオルの冷たさから閉じていた目で、先生を見上げれば、なぜか怒っている気がする。 「は?」 何を怒っているんですか、と私が聞きたいくらいだ。 「いつからだと聞いた。」 むすっとした顔の先生は、いつもより少しだけ、幼く見えた。 「何がですか。」 主語がない文で会話することは私にだって無理だ。 しかも、熱のある今の私の頭では最低限のことしか考えられない。 しかし先生は、そんな私にお構い無しで続けた。 「どうして、こんな調子が悪くなるまで黙っていたんだ」