それは、寒い日だった。

でも、11月も後半なのだから、当たり前で。

いつも通りの日だった。



私は未だに、間宮先生の言い付けに反してピアスを付けていたし。

私はその日も、全ての授業を子守唄にして眠っていたし。

それでも、どの先生も怒らなかったし。

怒ったとしても、私と一言、二言交わせば、溜め息を吐いて教壇へ帰っていった。



そうやって過ごしてきた今日の最後の授業が、数学だった。

もちろん、寝てやる。

三学期が始まれば、自由登校になって、こんな授業からは解放される。

それまでは、なんと言われようと眠り続けてやる。