妙な期待の目を疎ましく思いながら、丁度よく鳴ったチャイムと同時に、三年B組の授業へと向かった。 ――ガラガラ… それまで少し騒がしかった教室も、俺が入ればしんと静かになる。 「きりーつ、礼ー」 「「お願いしまぁーす」」 生徒がみんな着席した時。 そしてすぐに、見つけた。 授業開始のあいさつもせずに、寝ている佐藤を。 なんてったって、目立ったのだ。 一番後ろの席で、堂々と頬杖をついて、前を向いたまま、寝ているやつなんて、そうそういない。