ポケットから常備しているアメを取りだし、包装を解くと口に放り込み、ガリッと噛む。


そして俺はそのままそっと、目を閉じた。


ピアス一つで泣きそうになるほどガキなくせして。

『さよなら、せんせ』

閉じた瞼の裏から離れない、あの笑顔。



いつも俺を疑うように見てくるから、素直に笑ってくれたのはきっと初めてだ。

バカにしたように、これでどうだと蔑むような微笑みは、本当によく見るが。