校門から出て、まだ手の中にあるアメを見る。

かわいいイチゴ柄の包装紙。

それを開けて、アメ玉を自分の口へ放り込む。

私は先生からもらったアメを、丁寧に舐めた。

「……あま…」



このアメ。

思ってた以上に甘いけれど、なぜだろう。

嫌いじゃない。



間宮先生。

会話してればムカつくけど、なぜだろう。

嫌いじゃない。



居眠りから目覚めさせたのは。

優しすぎるほどの甘いアメと。

嫌いになるほどムカつく先生。



まだピアスからは、離れられないけれど…。