机に突っ伏したまま、顔と重い瞼だけを少し上げて、私の頭を教科書で叩いたであろう人物を見上げる。


「…せんせ…、いたーい…。」

「ワケがない。起きなさい。」

「…暴力はんたーい…。」

「君は私の授業を乱しているんだ。それこそ、職務執行妨害だろう。」



大抵の教師は、私に口で勝てない。

なのに、この教師。

間宮先生だけは、私の揚げ足を取って取って取りまくる。


「分かったら、大人しく授業を受けなさい。」


少しだけ右の口元を上げて、微かに笑った。

私は、この間宮先生が苦手だ。