人間は、面白くないことほど、笑えてくるのかな。


「…は、は…」


遠くで授業開始のチャイムが鳴っているのが聞こえる。



誰も通らない廊下の真ん中、崩れるように座り込み。

あり得ない想像に、ボタボタと大粒の涙を床に音をたてて落とす。




だって、私は決めたのだ。

“恋なんてもうしない”。

赤いピアスは過去への戒め。


そう言い聞かせてきたのに。






初めて経験したタバコは、先生とのキス。

私の涙が止まらないのは、きっと苦いタバコのせい。


だから、ぜんぶ。

先生のせい。