｢──え｣

言葉は急いで自分の机にある予定表に目を通した。違う違うと自分に言い聞かせながら、ページをめくるスピードを早くしていく。

額に冷や汗がたらり。

｢言葉先生？｣

｢萌奈さん、格闘技出来ますか？｣

｢ハ、ハイ？｣

｢田島先生、場所何処ですか！｣






北校舎三階


｢二人を逃がすな！捕まえろ！｣


｢なんでこうなるんですか世界先生ぇぇぇ！｣

｢知らん！狂気に満ちたチルドレンは私の専門外だ。殴り倒しても良いのなら対処してやるぞ！｣

右腕の袖を捲り、彼女の目の前にいるであろう見えない敵の攻撃をかわしながらカウンター攻撃をお見舞いする。

恐らく見えない敵Ａはその狂拳に倒れたのであろう。白鳥はガッツポーズを決めて達也に自慢の白い歯を覗かせながら微笑んだ。

｢何してるんですか？｣

｢ロッキーだ｣

｢外見が子供でも時代感じるっすわ｣

こんな会話しているが、実は二人、逃げているのである。しかもかなりの人数に。

足音からすると十人以上いると白鳥が言っていたことに達也は何かヤバい気がした。生徒会が本気で追いかけているのは何故だ？