いつもならそこには教師が座っていなくてはいけないものの、今はこの女の子が何食わぬ顔で占領している。一体何をしているのだこの女の子は。

「ねぇ、先生は?」

「はぁ?」

「先生はどこ」

とりあえず先生はどこだ?

あまりこの女と話したくもない。見てたらイライラしてくるし。



「それに子供がいて良い場所じゃない」



この言葉が、これからのみのるの運命を決定付けた。後になって気付いたみのるは、これからずっと後悔することになる。

「いまナンテッタ・・・」

ゾクッ

教室の空気が冷たくなり、中の生徒は恐怖感を覚えていた。当然、みのるもである。

「私が・・・何でここにいると思う?」

女の子の手をのせた真新しい真っ白な教卓がピキピキとひび割れていく。手は血管が浮き彫りになっていた。今にも破裂しそうな位、血管は太くなっていた。

「それはなぁ・・・」


ガシッ


勢いよく教卓に立ち上がり、みのるの胸ぐらを掴み寄せる。見たものを恐怖に陥れる形相で、女の子は宣言した。








「それは私が『教師』だからだぁッ!!!!!」