「繭ちゃん…大丈夫?」

「あ、うん。曽田くんごめんね。」

「…お化け屋敷嫌いだった?」

「…ここのね。」




莉子は細田の隣をべったりマークしている。
確かここ…二人乗り用だったよね?
繭のつらい思い出が書いてあるやつは、3つ。




「10分の3だもんね!大丈夫!!」

「振り分けどうする?…あたしは…///」




愛くるしい上目使いで、細田くんを見つめる。
でも、細田くんは気にも留めずにいた。




「さっきから、同じ奴とばっか隣だから、今度は高橋と乗ってみたい。」

「…繭、どうする…?」

「莉子が…いいなら…繭はそれでいい。」




莉子は悲しい顔をして、一回うなずくと、いつものように笑った。




「さぁ、行こっか。」