私は生きていいの?
生きることを許されているの?
私は求められて
誰かに望まれてここにいるの?
違うでしょ。
私がいなくても世界は変わらない。
私が死んだぐらいで世界はびくともしない。
周りの人たちもいずれは忘れる。
求められていない存在なんてそんなもの。
「私が望んでいるわ
貴方がここに存在し続けることを
貴方を求めている存在がここにいるわ」
私には何の価値もない
生きる価値なんてない
「生きる価値だなんて死んでからわかるものよ
それに哲学者でも信教者でもないのに
そんな宗教的なことよく言えるわね
あたしには無理だわ
貴方は生きなさい
存在意義なんか生きてりゃついてくるわ
人の存在価値なんて
たとえ神であろうが奪えない
貴方にも私にも奪えないし奪われない」
私は求められて生きていいの?
「そうよ」
私、消えなくていいんだね。
「死に逃げるぐらいならあたしが殺してあげる
殺されたのならそれは運が悪かっただけで
求められてなかったわけではないから」
ふふっ…
ありがとう
そう言うと
彼女は悪魔のような微笑みを残し去っていった。
あれはなんなのだろうか
人
いや、違う
人ならぬもの?
そんなものが存在しているのか
私の生きたいという願いから生まれた
幻覚なんだろうか
それでも彼女は私に生きろといった。
彼女が何者だなんてこのさいなんでもいい
純白の白いワンピースに身を包んだ
黒髪の彼女
幼いわけでもふけてもなかった
善にも悪にも染まっていなかった
真っ白だった
彼女の存在はまるで
[異質]

