「……わかってねーな」
すると栄治は、呆れたように、諦めたように、肩で息をついた。
ゆっくりと立ち上がると、床に転がる冷めたタオルを拾い上げる。
「……俺が言いたかったのは、泣きたいなら胸でも借そうか? ってことだよ。
ほら、そーゆうシーンって、ドラマでよくあるじゃん?
誠さんが辞めちゃっても、俺は、俺だけはずっとリーシュコードにいるんだからさ。
先輩もいい加減あきらめて、ちょっとは弟分に弱味見せてよ?」
そしてからかうようにそう続けると、真っ白な歯を見せて笑ってみせた。
広げられた両腕の指先が、軽くリズムをつけて玲子を招いている。
