リーシュコードにて




 だけど入院中の玲子は、世界で一番扱いが難しい怪我人だった。



 思い通りに動かない左脚に耐えられず、

手負いの猛獣さながらに世界の全てに牙をむいていた。



 リハビリ直後の玲子の車椅子を押す仕事を、看護師たちが嫌がるようになるほどに。



 事故の現場にただ居合わせただけの誠を口汚くののしり、

サーフィンを止めることを強要したことすらある。