「玲子先輩、電話長すぎだってば。オムレツ冷めちゃうだろ!」 そのとき待ちかねたように、栄治がカウンターの向こうから声をかけてきた。 「はいはい。 ひとが失恋の余韻にひたってるときに、そんなに急かさないでよ」 玲子は、過ぎ去ったサーファー時代を思わせる、 いい波を乗りこなした瞬間と同じ微笑みで栄治に向き直る。