リーシュコードにて




「……俺なしでもリーシュコードは全然大丈夫だって、

見せたかったんだろ?」



「うん。確かにそれもあるけど」



 相談があると言って誠を呼び出しておきながら、

玲子がするのは、いつも変わっていくリーシュコードの報告だけだった。



 オフザリップ、フローター、レイバック。



 バーテンダースクールに通い、

サーフテクニックの名前のオリジナルカクテルをメニューに加えたこと。



 夏の短期のバイトですらもスタッフは全てサーファーでそろえ、

カウンターに座れば、

いつでもサーフィンの情報交換ができるようにしたこと。



 そのため、一度はどうしようもなく落ち込んだ売り上げも段々と回復し、

今年のトップシーズンには、これまでで一番の黒字が見込めそうだということ。