「……だって、従兄妹なんだよ、私たち。
いずれ絶対に耳に入ることだもの。
仕方ないじゃない」
玲子は、カクテルのシェークを終えると笑って言った。
その唇が、冷えた指先と同じくらい血の気を失っていることには、自分でも気づかずに。
「えっ?! ってことは、先輩も結婚式行くわけ?!」
「まさか。元婚約者がのこのこ顔出せるはずないでしょ。
行くのはとーさんだけ。
……まあ、とーさんもかなり居心地悪いだろうけど。
本当に私って、親不孝者だよね」
そして、氷を入れたオールドファッショングラスに出来上がったカクテルを注ぎ入れながら、苦笑した。
玲子と誠との婚約破棄騒ぎの後も、
新藤の伯父伯母と鉄平との信頼関係はどうにか保たれていたけれど、
あれ以来鉄平のごま塩の髪は、そのほとんどが白髪となっていた。
玲子は、心の中でもう一度、鉄平に深々と頭を下げる。
