「……だけどさ、馬鹿は私も同じなんだよ。
だって、誠との未来よりも、海とリーシュコードを選んじゃったわけだから」
やがてそう口にした玲子は、母を亡くしたときの思い出とサーフィンを諦めたときの記憶とを、
心の中で順にたどりながら目を伏せる。
あのとき、どんなに泣いても、わめいても、
母は戻ってはこなかったし、左足が元通り動くこともなかった。
もしかして……だから玲子は、前に進むことができたのかもしれない。
……だけど海は、相変わらずの輝きで、
玲子を迎えるように、ここで寄せては返し続けていたのだ。
