リーシュコードにて




「……で、どうして先輩だけリーシュコードに帰ってきたの?」



 栄治は、2杯目のブルーラグーンと色とりどりのサラダを前に、

遠慮がちにそう問いかけた。



「ん、私って、我ながら我の強い女だったんだよね。

結局、新藤の嫁にはなりきれなかったってことだよ。いくら誠が好きでも」



 玲子は、そう言うと、栄治の好きだったブイヤベースを温めに厨房に向かった。



 そしてサフランとガーリックの香りに包まれながら、

誠との辛いすれ違いの日々を振り返る。