リーシュコードにて




 玲子は、サーフボードとナイロンバックだけを手にした、栄治の細い後ろ姿を思い出す。



 栄治との別れは、あの悲痛な叫びの1週間後にやって来ていた。



 湿っぽいのだけは勘弁してくれという栄治自身の希望により、

それは送別会も、別れの挨拶すらもない本当にあっさりとした最後となった。



 前だけを見ていた瞳には、あのときなにが映っていたのだろう。