「式場と日取りが決まり次第、鉄平さんには招待状送るから。 悪いけど、人数調整の関係で、両家共、従兄妹は呼ばないことになった」 誠の錆びた懐かしい声が、心を殺した平坦さで告げる。 その響きは、誠の基本は、 すでにあらふじとこれから作る新しい家庭にあることを玲子に伝えていた。 当たり前だ。 それがどんなにまぶしい日々であっても、 誠が湘南の海を離れてから、もう3年もの月日が経っている。