いつの間にか明かりは消え、部屋はストーブの赤い炎に照らされている。 素肌をさらした玲子は、誠が脱ぎ捨てたシャツで左膝の傷跡をそっと隠した。 誠はそれに気づくと、シャツを取り上げ、壁際で微笑む母の遺影に被せる。 そして血の色に染まった長い傷に、ゆっくりと舌先を這わせていった。 日差しが深く染み付いた誠の身体が作り出す抱擁は、 玲子に、低気圧が近づいた稲村ガ崎の海を思わせた。 エキスパートクラスのサーファーたちが、命のやり取り寸前のハイセッションをくり広げるポイントを。