リーシュコードにて




「……駄目だよ、俺は。女の前じゃ泣けない」



 やがて、錆びた声がつぶやいた。



「まこ兄、女じゃなくて、私だよ?」



 玲子は、複雑な思いを隠して微笑む。



 薄い身体がコンプレックスだったサーファー時代、

サングラスに隠された誠の欲望は、

いつも水着姿の自分を素通りして、

ビキニと濃い化粧の似合う綺麗なひとを追いかけていたから。