「……ずいぶんいっしょにいたんだね、私たち」
やがてグラスを干した玲子は、過ぎた時の重さを吐き出すようにぽつりとつぶやいた。
「ああ。運命共同体だったからな」
グラスに澄んだ酒を注ぎ入れながら、誠もぽつりと返す。
あまりにも的を得たその言葉に、玲子は小さく笑った。
誠の言う運命とは、間違いなく、
サーフィンと、リーシュコードと、不自由になった玲子の左脚とを同時に指していた。
「……誠、長い間ありがとう。もう私は、1人でやっていけるよ」
そして玲子は、微かにきしむ左膝を指先でたどりながら震え声でそう言った。
