リーシュコードにて




「ああ。急で悪いけど、俺、あらふじの板場に入ることが正式に決まったから。

 リーシュコードはこれで辞めさせてもらうことになる。……申し訳ない」



 誠は、玲子から受け取ったグラスに視線を落としたまま、ぽつりとこたえる。



玲子の顔は全く見ずに、自分自身に言い聞かせるように。



「……はい。了解いたしました」



 玲子は、自分のカンの確かさに、悲しく微笑み、うなずいた。