リーシュコードにて




 冷えた掌から荷物を受け取った玲子は、夜に溶けるようにしんと立つ誠が、

つい1週間前にリーシュコードを背にしたときよりも、

格段に老け込んでいることに気づいた。



 色素の抜けた髪の間には白銀の輝きが宿り、

目尻と口元の皺は深くなり、潮焼けした肌には脂が浮いている。



 その目ににじんだ疲れは、

伯父のいないあらふじの板場を支え続けた1週間が、

誠にとってかなりの重圧だったことを伝えていた。