「…………どこだ、ここは?」


缶ビールを片手に、皐月は辺りを見回した。

夢中で走っているうちに、賑わっていた川沿いの通りから逸れ、皐月はいつの間にか住宅街へ迷い込んでいた。


……遡ること30分前。

大学のサークル仲間と花見をしていた皐月は、信じられない光景を目にした。