舗道沿いには露店が出ていて、歩行するのも難しいくらい混み合っていた。


「まぁ。春休みだしな?」


すれ違う人並みから護るように、恭ちゃんはあたしの肩をすっと抱き寄せ、舗道の隅に導いた。

自然な動作がすごくかっこよくて。

そのまま、恭ちゃんに寄り添う。


「何? 今日は積極的じゃん?」


いじわるそうな声に視線を上げると、恭ちゃんは口元を緩めてニヤニヤ笑いをしていた。


「ち、ちがうよっ! は、はぐれちゃうからっ……」


自分でも笑っちゃうくらいどもって……

どんどん頬が熱くなった。


「顔真っ赤」


恭ちゃんはクスッと笑んで、あたしの頭を優しく撫でた。