「弥生は……頼まれたら断れねーお人好しだから」


弥生の左手に、俺の右手を重ねる。


「どーせ、言いそびれたんだろ?」


掌を返し、指を絡ませる。


「待っててやるよ。ちゃんと言えるよな?」

「……うん」


弥生はゆっくりと頷き、俺の目を真っ直ぐに見つめた。


「大好き。……恭ちゃん」


「俺も。大好きだよ?」


顔を寄せると、弥生は長い睫毛を伏せた。

唇が重なり、柔らかい感触にココロが痺れる……。

でも、深いキスは何かぎこちなくて。

俺たちは笑い合った。