「…まあ、知ってるとは思うが今回依頼人が頼んだのは大谷 基樹…組長だけだ、それ以外は間違っても殺すなよ」
「……了解、大丈夫だよ」
「ああ、殺しはしねえよ」
妖しく笑う浬津と同じく不敵に笑えばボスは少し呆れたように笑う。
「…じゃあ、そろそろ行くか」
浬津の言葉にコクりと頷きボスにひらひらと手をふり家をあとにする。
止めてある車に乗り込み大谷組の近くまで走らせ暫く様子を伺う。
「……あれがターゲット?」
「ああ、行くか」
暫く待っていれば大谷 基樹と思われる奴が車から降りてくるのを見て煙草を消す。
「よし…早く終わらせるか」
「…んー、了解」
浬津に続き組の屋敷へと続いて入っていけば待ち構えていたかのように次々と組員達が襲ってくる。
「……眠っ…」
ふわぁー…と欠伸をしながらも致命傷は外して銃や短剣、時には素手で倒していく。
「そっち、終わったか?」
浬津の言葉にコクりと頷き組長がいるであろう部屋へと向かう。
「……ここか…」
そう呟いた浬津の言葉に頷けば扉を開けるとひゅっ、と何かが飛んで来る。
「……弾丸」
「消音機能つきの銃か…小癪な真似してくれんな」
壁に穴をあけた弾丸を一瞥しながら眉間に皺を寄せ視線を前へ移す。
「……始末屋か…俺は殺されねぇッッ!!」
「……だってさ、どーする?」
「…任務遂行…」
喚くように言いながらも顔は青ざめガタガタと小刻みに震える組長を見て、笑いながら話す浬津に小さく答える。
「じゃあ、さよなら」
「お、俺は死なねえ!!」
浬津の言葉に喚きながら銃を向ける大谷より少し早く引き金を引いた浬津の銃がバンッッ―…っと渇いた音が響き大谷は床へ音をたて倒れる。

