「…このまま出てこなきゃなー…」
ぽつりと呟いた言葉は窓から外へ漂う煙と一緒に消えていく。
「…まあ、それが一番だけどな」
「あいつは何考えてんだかな…」
同調するように洋君と翔君もぽつりと言葉を漏らす。
皆分かりきってる、そんな事が叶うはずないと。…でも、もしこのまま平穏な時間が流れてくれれば…そんな事を思う程今の時間は幸せで平和なもの。
「……まあ、次は護るけど」
「ああ…護るもんが沢山いるからな」
「勿論、俺達は蓮南を護るけどな」
ぼそっと呟いた言葉は意外にも大きく二人にも聞こえたのかニヤリと不敵に笑いながら話す二人に妖しく微笑む。
暫く立ち、車がゆっくりと止まれば見慣れた家の前。
「…送ってくれてありがと」
「ああ、構わねえよ」
「じゃあな、気を付けろよ」
小さく微笑みお礼を言えばかわりない笑顔で軽く答える洋君に心配そうに言う翔君。
「ん、気を付ける」
軽く答え二人に手をふり足早に車を後にすればすぐに車が遠退く音が耳に入る。

