「何があっても守る」
――…親友の約束、そして"自分を責めるな"そう伊折は言ってくれた。
だったら私はそれを守る。
伊折の言葉を…守る事しか今は出来ないから。
「……私、伊折の言葉を守る」
そう言い笑えば大雅も安堵の笑みを溢した。
でも―…それから暫くして中々伊折の容態は回復せずただ時間だけが流れて行く中もう一度、克が姿を現した。
「……よう、何だ元気そうだな?死んでくれたら大喜びしたんだけどな」
そう言ってわざとらしく残念そうに眉を下げる克を見て改めて感じた思い。
「……もう、お兄ちゃんじゃない…」
私の前で笑うのは兄であって兄じゃない。
私の大好きだった兄はもう消え去り、今存在するのはまったく知らない兄。
「…は?何泣いてんの?」
無意識に伝った一筋の涙を笑う克に芽生える感情―…殺意。
でも伊折が傷付くような事はしないから…殺さない。
でも……復讐くらいは許して、ね。
「……潰す」
「は?」
嘲笑うように聞き返す克に笑みを溢せば苛ついたのか直ぐにその場を去った克。
克が去った後崩れ落ちるようにへたりこめば何かが壊れた気がした。
それからは始末屋の仕事の合間や暇な時に黒蛇の連中を潰しにかかった。
それから暫く立って波留が入り直ぐに私は洋君が引退し総長となった。
「……なぁ、蓮南…もう止めようぜ」
「………何が?」
見ていられない、と言った顔で話す大雅に聞き返せば重い溜息を吐く。

