「……乱入しよっ」
いつものように街を散歩していた時に見かけた少し強そうな奴等の喧嘩。
でも……8対1?
それでも、かなり強い男。まあ一人でするには少しキツいかなー…?
そんなことを考えていれば自然と足が進み既に口許が緩んでいく。
「……参戦するよー…」
「え?……あぁ、頼んだ」
暫く立って男達が倒れるのを見てふう、と一息つけば不意に手を前に差し出された。
「……助けてもらったろ?だから」
「…うん」
少し変わった男、でも話していると喧嘩以外では久しぶりに笑えた。
「あっ、確か血狼だよな?」
「んー…そんな感じ」
「俺は草加 伊折(クサカ イオリ)」
――…これが、伊折との出会いだった。
まるで氷が溶けていくような気持ちになり伊折と打ち解けるには然程時間はかからなかった。
そして、私達はかけがえのない親友になった。
いつでも、どこにいても、何があってもお互いを守る…そう私達は約束した。

