「ちょっ…待った!!伊折って誰?」
恵都の声が響き視線を皆に移すと大体が話が分からない、と言った様子。
まあ知ってるのは大雅と―…蒼、だけか。
「……皆も知らないよね、確か」
「あ、あぁ」
鈴夜の言葉に続き頷く千鶴と波留。
凛雪は蒼以外は分からない、と言った顔でこちらを見てくる。
「……どうせだから…少し話そうか」
「…蓮南…っ、無理…するな」
まるで自分が傷付いているように弱い声の大雅に少し眉を下げ微笑む。
「……そんな顔、しちゃ駄目だよ」
「……ッッ…悪い…」
軽く微笑み大雅がいつものように振る舞ってくれれば再度視線は皆へと移す。
「…私の過去を少し話すね」
そう言えばこくり、と頷く皆を合図に重い口を開いた。

