「…はぁ……今度、蝶湖(チョウコ)が奇襲かけるって奴だよ」
「……蝶湖?」
聞いた事のない族に惚けた声を出せば今度は皆に呆れたように見られる。
「……全国No.5の族だよ」
「ふーん……で、いつなの?」
「確かー………明日」
洋君の間のあいた言葉に暫し皆が唖然とし黙るなか私だけ欠伸をする。
「明日…って!!なんで早く教えないんすか!!!」
「……いきなりすぎだろ」
「早く教えてくれればよかったのに!!」
鈴夜に波留、千鶴の言葉に流石の洋君もばつが悪そうに目線を泳がす。
そんななか、黙っていた大雅が凛とした口調で話す。
「…で、総長どうする?」
悪戯っ子のように楽しそうに口端を上げ尋ねる大雅に皆の視線も自然と集まる。
「………潰せ」
久々の喧嘩に妖しく微笑み短い言葉が響けば皆の顔も楽しそうなものへと変わる。
「よし、倉庫に集合かけるぞ」
いつもとは違う弾んだ大雅の声にそれぞれが足早に理事長室を後にする。

