「どこ行くのっ?」
「理事長室……来る?」
頭を撫でている手を止め聞けば大きく頷く千鶴から少し離れD組を覗き見る。
「……あっ、波留っ」
近くにいた波留を手招きで呼び寄せる。
「蓮南……と千鶴、どうした?」
「洋君とこ…行く?」
「行く、大雅達も呼んでくる」
それだけ言い大雅達が来るのを暫く待てば直ぐに大雅と鈴夜もパタパタと足音をたてやってくる。
やっぱり…海炎の皆といると落ち着く。
「何しに洋一さんとこ行くんだ?」
「んー…まあ、詳しくは後でねー…」
軽く言えば「そうか」とだけ言い納得したのかそれ以上は何も言わない大雅。
理事長室の前に着けば何の躊躇もなくいきなりドアを開けぞろぞろと中に入る。

