「…ふぁー…」
大きな欠伸をし伸びをすれば教室の窓から今日は晴れている空をぼんやり眺める。
「…昨日、稲塚に勝ったらしいよ…」
「…まじで?凛雪の幹部倒すとか……」
「塁様のこと傷付けるとか最低…っ」
「本当ありえないよね……」
ざわざわと煩い教室、昨日の喧嘩が噂になったのか既にありもしない噂まで流れてる始末。
まあ、気にしないけど…ひそひそ煩いんだよね……
「蓮南…っ」
「……塁」
塁が話しかけてきた途端に話し声はぴたりと止みその代わりに視線が集まる。
「昨日は……ごめん」
そう言い頭を下げた塁に僅に目を見開くが直ぐに口端を上げ微笑む。
「私も悪かったし……怪我しなかった?」
「……ッッ……あぁ、大丈夫だよ…それより」
ちらりと視線を動かしぐるりとクラス中を一瞥する塁。
まあ言いたい事は分かるかな……

