「……あの事、洋君から聞いた?」
「ああ…まさか克が動き出したとはな…」
柵に寄っ掛かり煙草を取りだし銜える。
克かぁー……、きっとまた強くなってるんだろうな…。
会うたびに強さを増していた克。
強すぎた力は結果凶器へと変わったけど…
「……翔君も関わったら駄目だよ」
「…馬鹿言うな。お前だけにするかよ」
「…………殺されるよ?」
冗談ではなく真剣に言えば暫し沈黙が走る。お互い視線を逸らさず見ていれば意外にも沈黙を破ったのは翔君の溜息だった。
「俺は殺されねえ、皆もだ……勿論、蓮南もな?」
「…ふっ…本当先代には敵わないね…」
「そりゃそうだ、先代舐めんなっ」
さっきまでの気まずい空気など既に消え去り今は和やかな空気が場を包む。

