「…ごめんね、幹部を倒しちゃって」
少し冗談混じりで言えば口元を緩める蒼。
「ふっ…塁が売った喧嘩だ、構わねえ。それより…お前本当に何者だ?」
訝しげな表情をする蒼に軽く微笑む。
「…普通の高校生」
「はっ…自分で調べろってか」
軽く笑い挑発的に見てくる蒼から視線を外し空を仰ぐ。
「……調べる、まあそれもいいかもねー…」
誰に言うでもなく口から漏れた言葉に一人笑みを溢し時ガチャ、っと扉が開く。
「……翔君」
「お前ら何してんだか…まさか本気でやった訳じゃねえだろ?」
気絶した塁を見て動揺したように私に聞く翔君に「まさか」と軽く笑い飛ばす。
「だよなー…、まあいいや。…ほら、お前らさっさと戻れ」
凛雪に軽く手をふり、しっしっと追い払うように言えばのろのろと腰をあげる皆。
「先生これ手伝って下さいよー!!」
「ふざけんな、担任の義務じゃねえよ」
「ひっでえー!!」
塁を担ぐ恵都が言えばそれを軽く流し既に出ていった辰樹と蒼の後を急いで追う恵都。

